オタク感情日記

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A to the You! & I love U!

 

5人組のアイドルグループ。

彼らを好きになったのは、わりと前。

どういう経緯で、とかは正直ぼんやりとしか覚えてない。でもまさか自分がアイドルを好きになるなんて。人生何があるか分からない。世間ではちょうどそのグループが流行り出したくらいで、気づいたら自分も、という感じ。まあ、すぐに飽きちゃうのかもなー。さがっていっちゃうのかもなー。と子供ながらにそう思っていた。

が、気づけば早16年……随分と経った。

彼らを好きになったばかりの頃、電話は苦手だったけど、毎月のようにCDショップに予約の電話をして、発売された曲は歌詞も歌割りもコメントカードも全部覚えていた。何度も何度も同じDVDを見て、雑誌は全部切り抜いて、番組やCMは録画して編集した。好きになる前の彼らのことも調べつくして、インタビューを読んで、ラジオを聴いて、前はあーだったけど今はどーで、だから次はこーなるんじゃないかとか。このスタイリストさんは彼の前髪の扱い方を分かっているだとか、あの振付は彼の関節の癖とあんまり合ってないからこうした方がいいだの偉そうなこと言ったりして。まだそんなに厳しい時代じゃなかったから家族にも友達にもFCに入ってもらってチケットを取ったりした。縁もゆかりもない地に住む、同じグループが好きな友だちもできた。ぜんぶがはじめてでぜんぶに必死でそのぜんぶが嬉しかった。

たのしかった青春の思い出は、いつも5人と共にある。

そして気づけば16年……

今もわたしは彼らに何度も背中を押してもらっている。でもあの頃の「楽しい」は「楽しかった」になった。「追いかける」が「見守る」になった。(もうオタクとは言えないかな、なんかあればお金は払うからね!)

きっと彼らを好きにならなかったら、アイドルの煌めきを知ることも、心がこんなに震えることも、気持ちが溢れる感覚も、知らなかったと思う。

はじめての夜更かし、はじめての遠征、はじめてのコンサート、はじめましての友だち。

たのしかった青春の思い出は、いつも5人と共にある。

5人がくれたとっておきは、

いつまでもわたしのひかり。

 

 

 

 

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2021年6月24日

うたの☆プリンスさまっ♪が11周年を迎えた。ありがたくもわたしは、そんなめでたい節目に立ち会うことができた。18人の王子様と彼らを取り囲むやさしい人たち。わたしが出会うまで、そこに立っていてくれてありがとう。彼らに出会ってもうすぐ2年、一緒に歩んできた、という感覚は正直まだない。

 

2021年6月27日

わたしがうたの☆プリンスさまっ♪の煌めきに目を細め、映画館に建つお城に、赤髪の少年が言い放った永遠なんてないって言葉に、衝撃を受けてから2年が経った。特典でもらった皇綺羅さんのコースター、手汗でしなしなになった映画の半券。

数年前まで、(こんな好きな人に出逢う季節二度とない……)と思っていたのに!わたしは今、7人組の星の名を冠するアイドルグループを応援している。人生何があるか分からない。

まだ2年、もう2年、一緒に歩んできたという感覚はまだない。たぶん彼らを応援している限り、その感覚は来ないような気もしている。

それはわたし自身が彼らとの思い出はいらないと、どこかで思っているからかもしれない。彼らとの思い出はまだいらない。ぜんぶ"ここ"にある。ぜんぶぜんぶ今だから。それを積み重ねることが一緒に歩むということなのかもしれないし、わたしが彼らにペンライトを振るその手をおろした時、それらは思い出に変わるのだと思う。だから、今のところ彼らとの思い出はまだいらない。

 

昔は電話で予約していたCDも今はネットでサクッと予約ができてしまう。SNSの使い方も知ってるし、検索すれば大抵のことは出てくる。当時はお小遣いやバイト代で必死にやりくりしていたけど、今は自由にお金が使える。応援するグループは変わっても、乗りなれたオタクという乗り物はすぐに自分に馴染んだし、大人になった分だけ簡単にできることも増えた。

アイドルの煌めきも、その煌めきが心をこんなに震わせることも、こんなふうに気持ちが溢れる感覚も、もう知ってる。アイドルを好きになるのは初めてじゃないから。

でも、今のぜんぶをとっておきに変えてくれ!と思えるのは、18人の王子様にだけだ。もう大人なの、だから背中は押さなくていい、その代わり手を繋いでいてほしい。「楽しかった」はいらないから「楽しい」がほしい。今をキスで塞いでくれ。

 

 

今月末にわたしは、現在住んでいる場所から新しい土地に引っ越す。新しい住まい、新しい職場、はじめて会う人たち。まさか自分がこんなところで働くなんて、そんなところに身を置く。人生何があるか本当に分からない。

新しい土地には当時はじめましてだった友だちが住んでいる。8年ぶりに再会する予定。

あの頃楽しかったこと、今楽しいことをお互いにたくさん話そうと思っている。