オタク感情日記

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形而上学的アイドル

 

呪いという字が呪(まじな)いとも読めるように、永遠が喪失でしか表せないように、対極にあるものは常に向かい合っているように思う。

わたしが愛するアイドルは、青色を担っていることが多い。青色は、近くて遠い、そんな色だと思う。空に手は届かないし、海は掬うと透明だ。手首に透ける脈打つリボンも、鼓動を感じるだけで直に触れることはできない。地球は青いらしいが、わたしはそれをこの目で見たことはないし、未来を連想させるものは青色が使われることが多いのに、未来を知ることは誰にもできない。

わたしという人間は、青色の持つ身近さと、その近づき難さに、どうしたって惹かれてしまうのかもしれない。

 

星の名を冠するアイドルグループの青色を担う人、シャイニング事務所所属、ST☆RISHの聖川真斗さん。わたしが今応援しているアイドルだ。

わたしは彼の歌声を聞いても、コンサートに赴いても、彼と目が合ったことは一度もない。しかしそれは、視線が合わないということではないように感じているし、側にいないということではない。彼の瞳はいつも先を、未来を見つめている。それは、その積み重ねである今をしっかりと見つめているということと同義であり、当たり前を当たり前にやっているその姿勢は、生きることそのもののように思う。その真面目さは時に、「アイドルらしくない」と言われるのかもしれないけれど、アイドルというパッケージを施された中で、その「らしくない」は呪(まじな)いとなり、呪いをも切り裂くことをあなたは知っている。

今年の夏に開催された『うたの☆プリンスさまっ♪ SHINING STAR STAGE -LOVE in DREAM-』のソロステージで、客席に背中を向けたラスト。全体ステージの1番最後に、舞台の中央辺りにいたあなたが、客席に手を振るでもなく横に並ぶメンバーの後ろを通り颯爽とはけていく姿。その寄り添わないある種の不親切さ。あなたの力強い現実的なすべての行為は、やわらかな美しさを纏う夢を作っている。

わたしはあなたのことを何も知らないけど、その姿勢が嘘ではないことも、赤と青が混じるその紫色の瞳の熱も知っている。「宜しく頼む。」という優しい脅迫が眩しい治癒であることを知っている。

そして、ステージに立つその一瞬が、永遠に変わる瞬間が存在する。

なんとも不思議な、だけど確かで真っ直ぐな光。

あなたが創りだすそれらは、わたしという人間にとって、どうしたって惹かれてしまう近くて遠い青色なのだ。

 

あなたに初めて出会った瞬間の特別は、時間が経過するにつれ、わたしの日常に溶け込み、特別"だった"ものになった。それは喪失でありながらも喪失からの脱却であり、常にわたしに寄り添ってくれている。

いつも祝福をありがとう。

そして、

おたんじょうびおめでとう!

心からお祝い申し上げます。